ジブリ作品「火垂るの墓」監督・高畑勲さん、「耳をすませば」監督・近藤喜文さんインタビュー
「日本の侵略戦争、加害責任を見なければ世界の人々と手をつなぐことはできない」
http://editor.fem.jp/blog/?p=232
高畑勲
じつは「おもひでぽろぽろ」をつくる前に、しかたしんさん原作の『国境』をもとにして、日本による中国への侵略戦争、
加害責任を問う企画を進めていたのです。残念ながら、天安門事件の影響で企画が流れたのですが、
日本が他国に対してやってきたことをきちんと見つめなければ世界の人々と本当に手をつなぐことはできないと思っています。
――小泉首相はイラクに自衛隊を派兵しようとしていますが。
高畑:小泉首相はブッシュのいいなりに派兵しようとしていますが、とんでもないことです。今ほど憲法9条が大切なときはありません。
自衛隊の現実と9条に矛盾があることはそうだけども、憲法はある程度、理想であるべきだと私は思います。その理想をかかげて、
その方針の中で国は動いていくんだというのと、理想もなく、ましてや戦争肯定でやっていくのではまるで違うでしょう。
戦争でテロを撲滅するというブッシュの考え方は、これまで戦争がもたらしてきた痛苦の歴史から何も学んでいません。戦争によって
問題は解決しないとする憲法9条の考え方こそ、これからますます大切になっています。自衛隊のイラク派兵や憲法改悪は、
戦争とテロの悪循環の泥沼へ沈んでいくだけです。
――最後に私たち労働組合の仲間へのメッセージをお願いします。
高畑:私は東映動画の労働組合で副委員長をやったことがあって、宮さん(宮崎駿氏)とは仕事ではなく、労働組合で知り合いました。
労働組合のおかげで多くの仲間ができ、職場集会で毎日のように議論したり、苦労して日刊の機関紙を発行する中で民主主義を学びました。
みなさんも仲間をたくさんつくって行政をよくしていってください。
――長い時間ありがとうございました。(2003年12月1日、インタビュー収録)
「日本の侵略戦争、加害責任を見なければ世界の人々と手をつなぐことはできない」
http://editor.fem.jp/blog/?p=232
高畑勲
じつは「おもひでぽろぽろ」をつくる前に、しかたしんさん原作の『国境』をもとにして、日本による中国への侵略戦争、
加害責任を問う企画を進めていたのです。残念ながら、天安門事件の影響で企画が流れたのですが、
日本が他国に対してやってきたことをきちんと見つめなければ世界の人々と本当に手をつなぐことはできないと思っています。
――小泉首相はイラクに自衛隊を派兵しようとしていますが。
高畑:小泉首相はブッシュのいいなりに派兵しようとしていますが、とんでもないことです。今ほど憲法9条が大切なときはありません。
自衛隊の現実と9条に矛盾があることはそうだけども、憲法はある程度、理想であるべきだと私は思います。その理想をかかげて、
その方針の中で国は動いていくんだというのと、理想もなく、ましてや戦争肯定でやっていくのではまるで違うでしょう。
戦争でテロを撲滅するというブッシュの考え方は、これまで戦争がもたらしてきた痛苦の歴史から何も学んでいません。戦争によって
問題は解決しないとする憲法9条の考え方こそ、これからますます大切になっています。自衛隊のイラク派兵や憲法改悪は、
戦争とテロの悪循環の泥沼へ沈んでいくだけです。
――最後に私たち労働組合の仲間へのメッセージをお願いします。
高畑:私は東映動画の労働組合で副委員長をやったことがあって、宮さん(宮崎駿氏)とは仕事ではなく、労働組合で知り合いました。
労働組合のおかげで多くの仲間ができ、職場集会で毎日のように議論したり、苦労して日刊の機関紙を発行する中で民主主義を学びました。
みなさんも仲間をたくさんつくって行政をよくしていってください。
――長い時間ありがとうございました。(2003年12月1日、インタビュー収録)