1 :
名無しで叶える物語(魔王城門前)@無断転載は禁止
2016/11/01(火) 00:04:42.57 ID:Qe+A1rIA
花陽ママ「じゃあ、行ってくるわ〜」
凛ママ「行ってらっしゃい。気をつけてにゃ」
花陽ママ「あら〜?何か忘れてなぁい〜?」
凛ママ「…するの?」
花陽ママ「はい♪」
凛ママ「しょうがないにゃ…行ってらっしゃい///」チュ
花陽ママ「うふふ。頑張ってくるわ〜♪」
凛ママ(彼女が竹林から伐採してくる竹を使って、私たち二人で工芸品なんかを作って売るのよ)
凛ママ(私たちには一人娘がいたけど、娘は“あいどる”になる!と言って家出同然で上京。以来この歳まで二人きりだけど…それなりに楽しく暮らしてるんだ♪)
【竹林】
花陽ママ「刃物は危ないから、素手で竹を切り出すのよ〜♪ふんっ」バキ
穂乃果「わんわん!」
花陽ママ「あら?…こんなところに、犬?…あなた、どこの子〜?」
穂乃果「くーん♪」
花陽ママ「なあに〜?…あら、あの光ってるの…何かしら〜?」
花陽ママ(竹が光ってるように見えるけど…気になるわ〜)
\ニャー/
花陽ママ「竹の中から…子猫の鳴き声?」
穂乃果「わんわんわん!」
花陽ママ「この竹を割ってみろって言ってるのかしら〜?」
パカッ
「にゃーにゃー」
花陽ママ「まあ。可愛い〜♪家に連れてっちゃおうかしら〜?」
【星空家】
凛ママ「おかえりなさい…ずいぶん早かったのね?」
花陽ママ「可愛い子猫を拾ってきたの〜♪」
「にゃ?」
凛ママ「って、人間の女の子に見えるんだけど!?」
花陽ママ「うふふ。あなたに似てると思わない?」
凛ママ「そうかなぁ…言われてみれば、なんか似てるような…?」
2 :
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2016/11/01(火) 00:07:40.89 ID:Qe+A1rIA
花陽ママ「竹林で見つけた子だから、林と書いて“りん”と名付けましょうか〜♪」
凛ママ「ひねりが無さすぎ!それだと絶対ハヤシって読まれるわよ。もっとカッコよく…凛々しいの凛。これでどう?」カキカキ
花陽ママ「いいわね〜♪凛ちゃん。どうかしら〜?」
凛「にゃんにゃんにゃーん♪」
凛ママ「ふふ…気に入ったみたいね。凛、あなたは今日から凛よ!」
凛ママ(竹林で拾ったとは思えないほど私に似てる女の子…凛を、二人の子供として育てることにした)
穂乃果「わん!」
凛「わんわん♪」キャッキャ
花陽ママ「あの子も、すっかりなついちゃったわね〜」
凛ママ「そーね…おいで、わんこ。パンあげるにゃ」
穂乃果「くーん♪」パク
花陽ママ(凛ちゃんはまるで本物の猫のように成長して…見た目は家出した娘と変わらないくらいの年頃になったわ)
凛ママ(短かった髪も腰まで伸びて、女の子っぽく成長したわね。性格は変わらず天真爛漫だけど♪)
凛「お母さーん♪」
花陽ママ「はーい」
凛ママ「なあに?」
凛「どうして凛にはお母さんが二人いるのー?」
花陽ママ「どうしてかしら〜?…でも、二人いたほうがお得でしょ?」
凛「そっか。凛、得したにゃ♪」
凛ママ「ふふふ」
穂乃果「わんっ♪」
凛「遊びに行こ、わんこ♪」
凛ママ「待って凛。今日は凛に会わせたい人が来るの。家に居てくれない?」
凛「え。…いいけど、誰?」
花陽ママ「さ、凛ちゃん。着替えましょうね〜♪」
凛「こんなお姫さまみたいな着物…凛には似合わないよ…」
凛ママ「そんなことないわよ。凛はすごく可愛いって評判なんだから。都では“なよ竹のかぐや姫”なんて呼ばれてるらしいわ」
凛(やだなあ。凛は知らない人なんかに会いたくないよ)
希「はじめまして。ウチは東條希です」
花陽ママ「東條さんは西のほうのご出身かしら〜?」
希「いえ、生まれも育ちも千代田区ですけど」
3 :
名無しで叶える物語(魔王城門前)@無断転載は禁止
2016/11/01(火) 00:09:51.59 ID:Qe+A1rIA
絵里「絢瀬絵里です。ロシアから来ました」
にこ「にっこにっこにー!(中略)矢澤にこでーす♪」
真姫「…西木野真姫」カミノケクルクル
ことり「南ことりです♪」
凛ママ「なかなかの美人揃いね。…凛、どの娘がタイプ?」
凛「な、何の話…?」
花陽ママ「この娘たち、みんな凛ちゃんをお嫁さんにしたいんですって♪」
凛「えー!?…でも凛、まだお嫁に行くような歳じゃ…」
凛ママ「凛の好みで決めていいのよ。何なら自由に条件もつけていいし」
凛(結婚なんてしたくないよ…凛はお母さんとわんこがいれば幸せなのに…)
凛「じゃあ…ことりちゃん、希ちゃん、絵里ちゃん」
ことのぞえり「はい」
凛「ENDLESS PARADE、同じ星が見たい、ぷわぷわーお!のCDを全部揃えて持ってきて。借りるだけじゃダメです」
ことのぞえり「!?」
真姫(…西木野家の財力なら余裕ね)フッ
にこ(全部持ってるわ。勝った…!)ニヤリ
凛「にこちゃんと真姫ちゃんは、南條さんと楠田さんの約束ノート(本物)を持ってきてください」
真姫「ヴェぇえ!?」
にこ「はあぁ!?なんで私たちだけそんな無理ゲーなのよ!?」
凛「できなければ縁談はお断りします」プイッ
真姫「ノートはどこ!?お金なら幾らでも」
にこ「ずるいわよ!私に寄越しなさい!」
希「いや、ライバルに渡すわけないやん?」
絵里「それより諦めて特典CDを譲ってくれない?…もちろんタダとは言わないわ」
にこ「一枚百億ドルよ!」ベー
ことり(…帰ろうかな)ハァ
凛ママ「…凛。そんなに嫌だったの?…みんな可愛くていい子たちじゃない」
凛「凛は結婚なんてしたくないもん!」
花陽ママ「あらあら…困ったわねぇ」
凛ママ(無理難題を突きつけて五人を追い返した凛だけど、その後も求婚者は跡を絶たず…)
4 :
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2016/11/01(火) 00:10:46.53 ID:abS50kHt
意味不明
5 :
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2016/11/01(火) 00:12:49.59 ID:Qe+A1rIA
凛「もうやだ!みんな凛の気持ちなんて全然考えてくれない…」
穂乃果「くーん…」スリスリ
凛「わんこ…凛はどこへも行きたくないよ」ナデナデ
凛(わんこはいいな。こんな暑苦しい着物も着なくていいし、邪魔な長い髪も必要ない…)
凛「…そうだ」
穂乃果(凛ちゃん、刃物なんかどうするの?…まさか)
穂乃果「わんわんわん!(ダメだよ早まっちゃ!><)」
凛「ちょ、わんこ!危ないから離れて!…もう、しょうがないにゃ。ちょっとだけ我慢してね」
穂乃果「くーん…」シュン←繋がれた
チョキチョキ
凛「うわぁ、我ながらヘタクソだにゃ…後でお母さんに整えてもらおーっと」
花陽ママ「凛ちゃん!?ど、どうしたの…その髪」アワワワ
凛「えへへ。男の子みたいでしょ?」
凛ママ「凛!…な、なんてことを…」
凛「これで凛、お嫁に行かなくてもいいよね?」
凛ママ「凛…」
花陽ママ「凛ちゃん…」
花陽ママ(だけど…髪が短くなっても、やっぱり凛ちゃんは可愛い女の子)
凛ママ(凛の噂は…弱冠十五歳、即位して間もない若き帝の耳にも入り…)
ヒデコ「はじめまして」
フミコ「なよ竹のかぐや姫さま」
ミカ「まずは我が君にお会いくださいませ」
花陽「こ、こんにちは…お久しぶりです」
花陽ママ「花陽!?」
凛ママ「な、なんで花陽ちゃんが…?」
凛「?」
花陽「私は“あいどる”になりたかったんだけど…なんだか気づいたら“帝”になっちゃってて…エヘヘ」
凛ママ(嗚呼、なんという運命のいたずら…家出した私たちの一人娘が、凛を妻に迎えたいと言う)
花陽ママ「帰ってきてくれてありがとう…花陽…」ギュー
花陽「ごめんね…お母さん。ごめんなさい…」ギュ
6 :
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2016/11/01(火) 00:21:37.48 ID:Qe+A1rIA
凛「お母さんの娘って本当?…じゃあ、かよちんと凛は姉妹なの…?」
花陽「うん。そうだよ…でも凛ちゃんと私は血が繋がってないから、結婚はできるよ♪」
凛「それより、この家で暮らしてたときの話を聞きたいにゃ。どうして家出しちゃったの…?」
花陽「どうしても“あいどる”になりたくて…あの頃の私は、そのことで頭がいっぱいで、お母さんの気持ちとか全然考えてなかったんだ…バカだよね。私が“あいどる”なんて、なれるわけないのに…」
凛ママ「花陽ちゃん…」
凛(かよちんと凛が結婚したら、お母さんと一緒に暮らせるかも…だけど、本当にそれでいいの?)
凛「…凛知ってるよ。かよちんは、本当は今でも“あいどる”になりたいんだよねー?」
花陽「!…それは」
凛ママ(だけど…花陽ちゃんが帰ってきて、凛は悩むようになった。自分より花陽こそが私たちと一緒に暮らすべき…と考えたのかもしれない)
花陽「…とにかく、私の気持ちは変わらないよ。私は凛ちゃんをお嫁さんにする」
凛(かよちんは優しくて、とっても素敵だけど…でも)
凛(あのお月さまの光みたいに…キレイだけど、どこか寂しそうな感じがするにゃ)
花陽ママ(そして…ある望月の晩に、それは突如やって来た)
海未「ごめんください。…お迎えに参りました」
凛ママ「はあ。どちら様ですか…?」
凛(うさぎの耳が生えた、キレイな女の子…知らない人のはずなのに、なんだか懐かしい感じがする…)
海未「私は園田海未。かぐや姫を迎えに来た、月よりの使者です」
凛「凛を…?」
海未「ええ。凛、あなたは月の姫君。どうか私とともに月へとお帰りくださいませ」
凛「お月さま…?」
花陽「凛ちゃんをどこへ連れて行くの!?そんなの私が許さない!」
ヒデコ「曲者!」
フミコ「かぐや姫は」
ミカ「渡さないよ!」
\フィーバー!/
凛「やめて!海未ちゃん!かよちん!」
凛ママ(帝に忠誠を誓い、都で最も有能といわれる三人のつわもの…ヒデコ、フミコ、ミカが月の使者なる客人を追い払おうとする…しかし!)
花陽ママ(望月の光を浴びると、たちまち三人は全身の力が抜けたように崩れ落ち…そのまま眠りこけてしまった)
海未「さあ…こちらへ来るのです。凛…いや、かぐや姫」
凛「や、やだよ。凛は、お母さんと…」グス
7 :
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2016/11/01(火) 00:24:02.15 ID:Qe+A1rIA
花陽ママ「大丈夫よ。凛ちゃん…もう何処へも行かなくていいから」ギュ
凛ママ「凛を連れて行かないで!凛は私の…私たちの娘よ!」
凛「お母さん…」ギュー
海未「わかっているはずです。その地上の民は…凛の本当の両親ではないと」
花陽ママ「…」
凛「それは…でも、凛は…」ポロポロ
ポタ
穂乃果「ぅ…ゥ」グルル
凛「わんこ…危ないから出てきちゃダメ」
穂乃果「り…ん…」
凛「!?」
花陽(栗毛を濡らすひと滴。望月の光に照らされて…犬は瞬く間に姿を変えた)
凛「わんこが…女の子になっちゃったにゃ!?」
穂乃果「いや、もともと女の子だけど…って、服着てないじゃん!?」
海未「な、なんという破廉恥な…!」カァァ
凛「あ…凛の着物でよかったら着る?」
穂乃果「ありがと、凛ちゃん」バサ
花陽「いったい何がどうなってるの…?」
花陽ママ「私にもわからないわ〜」
穂乃果「凛ちゃーん♪」ペロペロ
凛「にゃぁ!?…く、くすぐったいにゃ///」
穂乃果「えへへ。いつも遊んでくれてありがとう♪」
凛「わんこ…なの?」
海未「あ、あなたは…太陽の姫君!」
凛「たいようの…ひめ?」
穂乃果「あ、うん。悪い魔法使いに呪いをかけられて…犬の姿になってたんだ」
※回想
ツバサ「太陽の姫…あなたがいると必ず私たちの障害になる時が来る。私の呪いを受けなさい!」カッ
穂乃果「…って。でも凛ちゃんのおかげで、こうして呪いも解けて…元の姿に戻れたよ♪」
凛ママ「もう何のお話だかわからないわね…」
8 :
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2016/11/01(火) 00:26:06.17 ID:Qe+A1rIA
海未「太陽の姫君…穂乃果は、月の姫君である凛と対の存在…許嫁なのです」
凛「わんこ…じゃなくて、穂乃果ちゃんが…?」
穂乃果「海未ちゃん。凛ちゃんを自由にしてあげて」
海未「ですが…」
穂乃果「血の繋がりとか、どこで生まれたとか…そんなことより、凛ちゃんには心から大切に思ってる人がいて…その人と一緒に居る権利があるはずだよ!」
海未「ですが、あの人たちは凛を嫁にやろうとしていたのですよ。凛が望まない相手に…」
凛(…凛が本当の子供じゃないから、いらなくなったんじゃないかって思ってた…けど)
『何処へも行かなくていいから』
『凛は私の…私たちの娘よ!』
穂乃果「方法は間違ってたかもしれない…けど、それだって凛ちゃんの幸せを願ってしたことだと思うよ」
海未「…すっかり地上の民に絆されたようですね」ハァ
穂乃果「知ってるでしょ?…絆(ほだ)しは、キズナとも読むの」
海未「凛。…どうしますか。決めるのはあなたです」
凛「わんこ…穂乃果ちゃんは凛の許嫁なんだよね?」
穂乃果「それは宙(そら)の民が決めたことだから…気にしないで。凛ちゃんのしたいようにしていいんだよ」
凛「じゃあ…穂乃果ちゃん。凛のお嫁さんになってくれる?」
穂乃果「え」
海未「…ふむ」
花陽「そんなぁ!?」ガクッ
穂乃果「り、凛ちゃん…本当にそれでいいの?」
凛「だって…凛、知ってるよ。お母さんが凛を見つけてくれたときも…」
『わんわんわん!』
『この竹を割ってみろって言ってるのかしら〜?』
凛「いつも凛のそばにいて…凛を守ってくれてたんだよねー?」
『くーん…』
『わんこ…凛はどこへも行きたくないよ』
穂乃果「う、うん。…犬の姿じゃ、それくらいしかできなかったし…」
凛「でも凛は心強かったよ。穂乃果ちゃんだけは、いつでも凛の味方だって思えたんだー♪…それに」チラ
花陽「え…?」
凛「お母さん。凛は、お母さんの娘だって言ったよねー?」
花陽ママ「ええ」
凛ママ「もちろんよ」
9 :
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2016/11/01(火) 00:29:36.65 ID:aWhWqQgY
ワンワンワンで11/1は犬の日だっけ?
10 :
名無しで叶える物語(魔王城門前)@無断転載は禁止
2016/11/01(火) 00:29:45.77 ID:Qe+A1rIA
凛「かよちんもお母さんの娘でしょ?…だったら、かよちんは…世界でたった一人の、凛のお姉ちゃんだもん」
花陽「凛ちゃん…」
海未「穂乃果と結婚して…月へは帰らないのですか?」
凛「うん。ごめんなさい…穂乃果ちゃんも、ここで…凛のそばにいてくれる?」
穂乃果「わん♪…えへへ。もちろんだよ、凛ちゃん」ギュ
海未「仕方ありませんね…ですが、こうして来た以上…私も、何もしないで帰るわけにはいきません」
穂乃果「海未ちゃん!」
ことり「だって…」
絵里「私たち」
希「アイドルなんやから!」
\ハッ! ハッ! ハッ!/
にこ「わたしはっ!あかい!薔薇の姫よ〜♪」
凛(真姫ちゃんたちまで駆けつけて…μ'sのライブとともに始まった凛たちの結婚のお祝いの宴は、月と陽が入れ替わる刻限まで続いたのでした)
11 :
名無しで叶える物語(魔王城門前)@無断転載は禁止
2016/11/01(火) 00:30:23.42 ID:Qe+A1rIA
【十一月朔日】
花陽(月日は流れ…今日は凛ちゃんの誕生日♪)
凛「っていうか…凛って何歳なのー?誕生日って月で生まれた日なの?それともお母さんと出会った日?」
凛ママ「はっぴーばーすでー!」
花陽「お誕生日おめでとう♪」
花陽ママ「おめでとう凛ちゃん♪」
穂乃果「おめでとー♪」
凛「ありがとにゃ…って、ごまかさないで><」
凛ママ「凛。今日くらいは細かいことは忘れていいのよ!」
穂乃果「そうそう!とにかく凛ちゃんの誕生日なんだから、お祝いしようよ♪」
凛「納得いかないにゃ…」
花陽「モヤモヤした気持ちは、歌とダンスで発散しよう♪」
ヒデコ「ライブの準備は」
フミコ「滞りなく」
ミカ「いつでもOKだよ♪」
海未「さあ、今日もやりましょう!」
凛「って、わざわざ月から来たの〜!?」
海未「朔日というのは月から地上への光の道が断たれてしまうのです。ですから数日前には地上に降りていました」
希「月の民も大変やね…」
絵里「でも私たちは九人でμ'sだし」
ことり「海未ちゃんだって」
真姫「…私たちだって」
にこ「アイドルなんだから!」
\フィーバー!/
おわり